▼close

レビューコンテスト

第一回レビューコンテスト 結果発表

レビューコンテストへのたくさんのご応募、誠にありがとうございました。グランプリ1点、準グランプリ1点、入選3点、それぞれ選定させて頂きました。

グランプリ: 丸山 哲哉 様

応募作品:ウィローツリー天使像 【Angel of Caring】 - 思いやり

2011.3.11

福島県会津若松市はまだ寒く、冷たい風が吹雪くほど。朝いつも通り仕事へ出た24歳の長男が会社へ着くなり、突然死んだ。救急搬送された病院へ向かったわたしたち夫婦は、車の中で胸騒ぎをしていた。午前11時、救急当番医は処置室に入る前わたしたちに言った。「ご覚悟を・・・」えっ? なに? なんのことさ?

処置室にはもう冷たくなりつつある長男が心電図やら、点滴やら、に繋がれ、数名の医者に囲まれ、1人に心マッサージされていた。わたしたちは息子に駆け寄り、声をかけ続けた。

「おいっおきろっ」「話があるんだ」

午後、大地震がきた。病院の霊安室で息子の亡骸とともに外の地吹雪がシャッターを揺らす音と断続的な余震の揺れの中、家族だけになった。電話も、通じず、外界と遮断された。

その翌年の5月11日。妻も癌で長男のいる天国へ旅立った。

わたしは、かけがえの無い、長男と妻を相次いで亡くし、心が空虚になった。笑うこともでき無い、喜びも忘れ、生きている気がし無いので、後を追うことばかり考えた。しかし、生きている間は、人前では普通でいなければと、カウンセリング、ヒーラー、いろいろな人を訪ね、話を聞いてもらったが、誰一人気持ちをわかる訳はなかった。

そんな時ネットで見つけたのがウィローツリーだった。HPで1人の天使に出会った。腰掛けて肘をつき、首を傾け傾聴している天使・・・なんの迷いもなくネットから手続きをし、すぐに彼女は来た。「Angel of Caring - 思いやり」という名のその小さな天使はその名のごとく、ただ黙って、わたしを見て、話を聞いてくれ、そこにいてくれる。このことが、わたしの求めていた、本当の「癒し」だ。しばらくして、この天使の写真を撮り、ウィローツリーに送ったその写真をHPでも使ってくださり。死んでもいい、と思っていたけどわたしの写真でも良いと言って下さる人がいる。そう思えた。

天使たちや彫像がくれる、優しさの言葉なき眼差しや「そこに在る」安心と癒し、その羽を羽ばたかせ、心を天に向けてくれる、その役割はわたしが欲しかった「さしのべてくれる手」でした。

審査のコメント:泣いてしまって、読む手が何度も止まりました。どうしようもなく心を動かされてしまい、グランプリは丸山様以外に考えられないと思いました。丸山様の元にウィローツリーをお届けできて、本当に嬉しく思います。ありがとうございました。

準グランプリ: さたちゃん 様

応募作品:ウィローツリー彫像 【Heart of Gold】 黄金の精神

私の仕事机には、ハートを胸に抱えた少年がいます。

とても不思議な少年・・・

自分の心持ちひとつで、この少年の表情が違って感じます。

私が不安な時は、俯き加減で不安いっぱいにハートを抱えているよう・・・

でも自分の悩みに答えを見出し進もうとしている時は、ハートを強く握って「大丈夫、きっと上手くいくよ」と応援してくれているように見えるのです。

このことに気付いてからは、仕事に追われ、前しか見えない時はなるべく顔を上げ、この少年に目を向け休むことにしています。

一瞬でも癒されると、仕事も捗り何もかも順調になるような気がします。

彼は仕事の神様が私にくださった 守り神 なのかもしれませんね。

審査のコメント:ウィローツリーと共にある生活がどのようなものなのか、一番よく伝わってくる作品でしたので、準グランプリとして選定させて頂きました。見るときの気持ちによって、表情が違う――全くその通りですよね♪

入選: 湘子 様

応募作品:ウィローツリー天使像 【A Tree, A Prayer】 木、そして祈り

ウィローツリーとの出会いは展示会ででした。友人がこれ絶対気に入るから見てみて! と言われて足を留めたのですが、一瞬で目を奪われました。顔に表情がない、それなのにどうしようもないほどの温かみや懐かしさを覚えるこの人形はなんと美しいのだろう・・・そう思いました。

私は天使のウィローツリーをプレゼントで頂きました。祈っている天使です。天使にはきれいな木の模様が胴体に施されていて、小さな手を合わせて天を仰ぎ見るような仕草を見るたびに心が癒されます。そしてひとつの風景が思い出されます。それは9年前に幼かった娘を連れて、幼稚園の見学に行った時のことです。

幼稚園はミッション系の幼稚園で、女の子にはちょうど良いかなという気持ちで見学に行きました。園内は普通の幼稚園と変わらなかったので、特に驚きはなかったのですが、朝の会を行っているという園児たちがいる教室に娘と足を運んだ時に、見た光景は一生忘れられないものでした。

あどけなさが残る小さな天使(園児)たちが、紅葉のような手をあわせて次のように祈っていたのです。

「・・・・お父様、お母様、お友達、日本の国の皆さま、全世界の人々が今日も平和に暮らせますように。」

小さな、だけどとても大きな愛を感じる天使たちの祈りに、 圧倒されました。

私はその時まで、そのことは知らなかった。

けれど、園児たちはそんな事は関係なく、毎日私たちのために祈ってくれていたのです。

天使たちの無垢な愛にとても感動しました。私にとって、時がたっても記憶の中で薄れることのない宝物のような想い出です。

娘は2年間その幼稚園に通い、毎朝その祈りをクラスの園児としていました。

成長した娘は、今でもウィローツリーの天使のように祈るときがあります。

彼女ももう大きくなってしまい、私の手を離れ、今は思春期真っただ中ですが、ウィローツリーの祈りの天使を見るたびに、幼い頃の無垢な娘を思い出し、大丈夫この子なら心配ないね。と温かい気持ちになります。

そして私の家では、あの時、幼稚園で祈っていた子供たちのように、美しい仕草で、ウィローツリーの天使が、今も祈っています。

審査のコメント: 作文としての完成度がとても高く、1つの完成されたエッセイを読むようでした。園児たちの祈り、微笑ましく、そして感動的ですね。

入選: 太田 珠美 様

応募作品:ウィローツリー天使像 【Angel of Friendship】 友情

昨年の春 私達の愛するゴールデンレトリバーのランが旅立ちました。

悲しくて辛くてたまらない毎日の中で、お友達が送って下さった わんこを抱いた天使の男の子。

偶然ですが お二人の方から同じ天使の男の子をいただきました。

ランもまた 天使の腕の中に抱かれてるのかなぁと想い 気持ちが少し楽になりました。

そして 私もまた お花をいただいた方にウィローツリーの花を抱いた女の子や わんこを亡くされてるお友達には わんこを抱いた天使を お礼に送りました。

初めてウィローツリーを知った方も多く、とても癒されると言っていただき嬉しかったです。

私も 出会えて本当に嬉しかったです。

審査のコメント: シンプルながら、ウィローツリーとの関わりが情感豊かに表現されている作品だと思いました。きっと、多くの人に参考にして頂けると思います。あらためまして、ご応募頂きましてありがとうございました。

入選: ウィロツリファン 様

応募作品:ウィローツリー彫像 【Bloom】 花盛り

私と顔の描かれていない小さな小さな人形との出会いは、ある見本市でした。

とても大きな会場で催された見本市の、一番隅のブースで、顔の描かれていない小さな人形は、静かにたたずんでいました。

顔の描かれていない小さな人形・・・ですが、おそらく顔の描かれていない人形を見た人全員が、その小さな人形の顔、あるいはその姿に、自分の人生の様々な思い出が溢れたのでは・・・と思います。

私は一人、じっとその顔の描かれていない小さな人形に心を奪われ、長い事魅入っていまし た。

私が「とても素敵な人形が有る!」と呼んできた女性は、顔の描かれていない小さな人形を見て、暫く無言の後、「見ているだけで涙があふれそう・・・」と一言だけ発しました。

おそらく彼女も、これまでの自分の人生の様々な思い出が一気に心の中に押し寄せたのだと思います。

そして、顔の描かれていない小さな人形を見て私が思い出した、小さな人形に見たのは、一年前に永遠の別れとなった大好きだった祖母の顔でした。

最後の別れとなった棺の中の祖母は、とても静かで安らかな寝顔にも見えましたが、同時に孫の私、あるいは自分の子供たち(私の親)を心配しているかの様にも見えました。

また、祖母が永眠した事を、生前お世話になった方に電話で伝えた際、電話した相手全員に、私が嗚咽しながら伝えた事を「男なんだから泣くな!」と叱っているかの様にも見えました。

そして・・・「別れは必ずやってくる、天国からずっとずっと見守ってるから、泣かないで!」と励ましているかの様にも見えました。

永眠しても尚、私の心の中で生き続けている祖母・・・。

祖母には私を含め、孫が4人いたのですが、葬儀の際、雑談で「おばあちゃん、オレ達4人の孫の中で、誰の事を一番可愛がってたと思う?」と、戯れを話した時、4人が4人共、「自分!」と答えました。

私たち4人の孫は、全員が「自分こそがおばあちゃんに一番かわいがってもらっていた!」と思う程に、祖母は全員に同じ様に、深い深い本当に深い愛を注いでくれていました。

花を持って静かにたたずむ顔の描かれていない小さな人形は、祖母の深い愛情を思い起こさせてくれる、心の琴線に触れる作品でした。

審査のコメント: 今回のレビューコンテストで、一番長い作文をお送り頂きました。多少編集させて頂きましたが、お祖母様への愛情が強く伝わってくる、やさしい気持ちになれる作品でした。孫全員が、自分が一番可愛がってもらっていたと言うなんて、本当に優しいお祖母様だったのですね。